昭和生まれの失踪者

昭和63年生まれのギリ昭和世代がお届けする雑記ブログ。ポケモンやラッシュデュエルといったカードゲームの話題中心にFGO等のゲームや美味しそうなものを紹介したりします。

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三十路手前の失踪者【1日目-②】

まるで土地勘のない東京。私はそこに何のアテもなく行こうとしているのだが……

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注意

この記事は私の失踪時の体験談となっていますが失踪による事件等に関与した内容ではありません。

 

この記事は失踪及び犯罪を助長する内容ではありません。また特定の人物に危害を加えるものではありません。

 

2018年3月19日(月) 16:30

那覇空港に到着した。

まずは搭乗の手続きを済ませる。前日に購入した航空券のQRコードを機械に読み込ませた後、荷物を預けた。

 

朝からずっと背負っていたリュックサックを降ろせたので少し楽になった。

 

しかし心は楽にならない。空港に来る前に母に連絡をとったせいで案の定、逃げる決意が揺らいでしまっていた。

 

荷物を預けてしまったがそれを捨ててでも自宅に帰ろうか迷っていた。

 

ベンチに座り頭の中でずっと悩んでいたが次第に頭が回らなくなってきた。

 

答えが決まらないまま座っていても仕方ないので空港内を歩くことにした。

 

向かったのはおみやげコーナー。

そこで試食のお菓子を食べて回る、この日はロクに食事をしてないので少しでも食べらるものは口にした。

 

試食品を食べ終わったらまたベンチに腰を下ろす。

 

また悩み始めるがそろそろ東京に行くか自宅に戻るか決めないといけない。なら……

 

どちらにせよ後悔することになる、なら行かずに後悔するより行った先で後悔しよう!!

 

東京へ行く、何の目的もないがとにかく行くと決めた。逃げることしか出来ないなら逃げることはやめたくない、前向きなのか後ろ向きなのかわからないが、その時の私は真面目にそんなことを考えていた。

 

行くと決めたので搭乗口で持ち物検査を済ませ出発時刻まで待つことにした。

 

待っている間、さすがに喉が渇いてきたので自販機で水を買って飲んだ。  

 

決断したといってもやはり不安は残っていたので気を紛らせるためにも何か口にしたかったのだ。

 

そして機内への入場案内が始まった。

恐る恐るチケットを出して機内に乗り込む。

 

そして指定された座席を探して……

 

機内の座席に座った時だ、猛烈な恐怖を感じた!!

 

 その恐怖の正体は「後悔」だ。

 

羽田についたらその後はどこへ行こう…

 

そもそも電車に乗るのも不安だ…

 

それに帰りの航空券すらないので羽田についたら簡単に沖縄に帰れなくなる…

 

今更ながらそんなことを心配し出す、下調べもなしに東京に行くことにしたため羽田空港についたらその瞬間から迷子になる。

 

しかも、しばらく身を隠す気でいたので帰りのことなんて考えず行きの航空券しか購入していなかった。

 

後悔する気ではいたが、いざ「後悔」し出すとやめておけばよかったとなる。

 

まだ少しだけ時間はある。

 

機内で叫べば降ろしてもらえるかもしれないが、私の身勝手な理由で他の乗客を巻き込むわけにはいかないので泣き出したい気持ちを抑えてグッと堪えた。

 

やがて離陸時間がきて不安で震える中、空へと飛び出した……

 

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こんなに不安な気持ちて航空機に乗ったことなどなかった。高度が上がり、機体が揺れ、その度に震えていた。

 

やがてシートベルト着用のランプが消え機内サービスが配られ始めた。

 

私は気持ちを落ち着かせるため渡されたホットコーヒーとキットカットを口にいれた。

 

その後は機内サービスのおかげか単に暗いことを考えるのに疲れただけかは知らないが先程とはうってかわってなんとかなる気がしてきた。

 

 泊まるところもどこかでネットカフェを探せばいいし、翌日に旅行代理店を見つけて帰り航空券を買えばいい。

 

簡単に言うが全く土地勘のない場所で特定の店を探すのは難しい。

 

だが前向きになれたのは大きい、元々都会に憧れて行きたいと思って決めた東京行きだ、今からその東京に行けるのだから少しくらいは楽しむ気でいよう。

 

自分でも驚くくらい気分が一転したがこれでよかったのだろう、そうでないとこの後、東京でさ迷い、ひたすら歩き続けることに耐えられなかっただろう……

 

機内は再びシートベルト着用のランプが灯った。

 

 19:15 羽田空港に到着。

 

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預けていた荷物を受けとりゲートを出た。

 

その時22:00前だったのでシャッターが降りた店が多くて少し残念だが今は空港でゆっくりしてもいられない。

 

終電が来る前には泊まるところを見つけないといけない。

 

自宅を出る前は野宿する覚悟でいたが実際に到着するとそこまでの勇気はなかった。

 

ならば尚更急がねばならない。

 

移動手段だがやはり電車だろう。

案内板には京急線と東京モノレールの案内があるがどちらにするか…

 

本当に何も知らない状況なのでどう転ぶかわからない。

 

なんとなくだが京急線がいい気がした。

 

料金表は見てないのだがモノレールの方が高くつきそうな気がしたので京急線に決めた。

 

案内板の指示に従い京急線乗り場へ向かった。

 

そこでまた選らばないといけないことがある、どこまで行けばいいかだ。

 

東京といってもどこに何があるかわからないので駅名だけで決めないといけない。

 

そこで線路標をしっかり見る、できるなら京急線から乗り替えなしで行けてかつ大きな駅に行きたい。

 

なら品川がいいかもしれない、線路標からも大きな駅なのが伺えた。とりあえずここにしよう。私は品川駅までの切符を購入した。

 

今いる国内ターミナル駅は地下なので景色は見れなかったが次の駅へと進むにつれ外が見えてきた。

 

夜なのでハッキリとは見えないが街の中に線路が通っているのはよくわかる。

 

これは沖縄にはない光景だ、これだけでもテンションが上がる。

電車はどんどん進み、品川駅が見えてきた。

夜景でもわかる都会的なホームは心が踊る。

 

この後、都会の街並みを嫌というほど味わうことになるのだが、この時は知る余地もなかった……

 

 【1日目‐③】に続く

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